遠い世界の話。この世界には二つの種族が存在していた。
「人間」と「魔族」。我々の知る世界にも伝承や空想の物語として伝わっているが、そんな二つの種族が本当に存在した世界の話。
人間と魔族には、見た目こそ変わらないが、内面に大きな違いがあった。
経験と感性を重んじる人間と、分析と知性を重んじる魔族。
二つの種族は普段意識することは少ないが、確実に違う生き物として存在していた。
数百年前、大きな戦争が二種族間で起こった後、世界は均衡を取り戻したように見えた。
お互いの種族は争いを禁じ、立場の差や、待遇の差を生まないようにするべく体制を整えた。
しかしながら、人々の心の奥底には、両種族への偏見や区別の意識が消えてはいなかった。
学問や技術が発達し、両種族は寿命というものを気にすることはなくなった。
死ぬことがなくなった世界で、二つの種族が暮らし、歪な関係を続けていく。
