遠い世界の話。平和に溢れる、豊かな国があった。
かつては争いが絶えず、人々は戦いの為の力「妖力」を発現し、戦火は大きくなっていった。
その争いを、とある青年が自身の持つ妖力を使って収め、後に彼は英雄と呼ばれた。
そして現在、平和になった国を収めているのは、アルドという王であった。
彼には、現代では失われたとされる、妖力があった。
それは、人の心を視ることができるというものであり、国に起こる様々な問題を解決していた。
若くして王になったアルドを支えていたのは、幼馴染のミラであった。
彼は国民の声をよく聞き、アルドと連携しながら平和な国づくりを支えてきた。
そして、国を作るのはもう一人、レミアスという男であった。
彼は王、アルドの弟でありながら、妖力を持たなかったが、三人で国をしっかりと治めていた。
この国には多くの国民がいるが、中でも目立っていたのは、シオンという青年。
伝承の英雄に憧れ、いつか自分もそうなりたいと心から望む彼は、平和な現状に飽き飽きしていた。
争いの中でこそ英雄は生まれる、という考えを持ち、アルドとミラの手を煩わせる。
ある日、国に珍しく来訪者が訪れる。旅人であると自称する男の名は、ヴェイル。
彼は、アルドが持つ、心を読むという妖力を聞きつけてやってきたという。
ヴェイルがアルドに会いに来た理由とは何なのか。平和な国が、少しずつ、確実に揺れ動き始める。
